金欠

ここまで金に困っているのは久しぶりかもしれない。

というのも、毎月25日に振り込まれるバイト代は25日が休日の場合休み明けの月曜日まで振り込まれないのだ。

何かの間違いで貯金残高が増えていることを期待し昨日銀行に行ったが、間違いが起こるはずはなく残高は3300円だった。財布には120円程度しか入っていなかったため3000円をおろした。土日を乗り越えるには充分過ぎる額だが、残高が300円になったことを思うと惨めな気分だ。

そろそろ米を買おうと思っていたが1500円の出費には躊躇いがある。市に指定されたゴミ袋は400円する。卵は120円。豚バラ肉はスーパーのチラシに掲載されていない。全部月曜以降に検討しよう。

小学生の時に知人から薦められて読んだ小説『佐賀のがばいばあちゃん』には、貧しい生活を生き延びる知恵として「腹が減ったら寝ろ」と書かれていた記憶がある。正しい記憶かどうかは分からないが、一人暮らしを始めてからこの教えに幾度も助けられている。この土日も、大学に行く用事があるとはいえ折角の休日だ。家にいる時間はずっと睡眠に充てるのも悪くないだろう。

ちなみにあの小説には、電気代を節約するために「暗くなったら寝ろ」とも書かれていたような、いなかったような気もする。毎晩眠れずに明るい部屋で一晩過ごす、ここ最近の生活リズムを真っ先に見直すべきであることには間違いない。

生きていくぞって思った話

この前、先輩の家に久々にお邪魔したら、玄関に綺麗な革靴が何足も置いてあった。
金があるっていいなと思った。
毎日スーパーのチラシをアプリで確認して、タイムサービスがあればその時間に駆け込んで。
そんな生活を惨めだとは思わない。これはこれで割と楽しい。
でも一生に一度くらいは、欲しいものを欲しいときに買って食べたいものを食べる生活を送ってみたいと思う。
実際金を手にしたらゲームに使いこみそうだけど。
今も少しでも経済的余裕が生まれれば課金してるし。これはよくない。
現状は人生ハードモードだし、余裕が生まれる頃にはゲームへの興味などとうに失っているかもしれないけれど。
運の悪さを少しはひっくり返せるように、明日からも頑張ろうかなと考えたりした。
(とりあえず湯船に浸かりながらこれ書いてたらお湯が人肌以下になってきているのでいつか追い焚き機能のある風呂がついた家に住みたいです)

冷え

鍋のシーズンが始まった。

世間的にはまだ早いかもしれないが、料理が面倒な一人暮らしの学生は鍋料理を好んで作る、と思う。

肉を買うと消費期限を気にして否応なしに料理することになる。

一昨日買った豚バラ肉には確か10%割引のシールが貼られていた。恐らく消費期限は昨日。鍋2回分の量はあったはずだ。

1回分だけ今日使って残りは冷凍庫行きになりそうな気配がする。

うちの冷凍庫は狭い。狭い上に霜が付きやすい。

常にうどんと鍋に入れる野菜のストックが入っていて、霜が内側に広がってくるとうどんを引っ張り出すのにも一苦労だ。考えなしに冷凍食品を買い溜めた日には大変なことになる。

近いうちにまた霜取りをしよう。そしてバターアイスと今川焼きを買ってこよう。

眠くなってきた。

思い出さない

昨日、バターアイスを買った。

少し期待しすぎていたかもしれない。

バターアイスは単体で食べるより他のものに合わせるのが良いと聞いたので、もう一度買って試してみようと思った。

ついでに買ったアップルパイバーが美味かった。

昔から何故か、バニラビーンズの入ったお菓子を盲信している。

シュークリームもカスタードにバニラビーンズが入っているかどうかで評価が大きく変わる。

バニラビーンズがどんなものか調べると危ない草にしか見えない画像が出てきて驚く。

愛すべきバニラビーンズ。合法だ。

アップルパイバー、というかアップルパイの魅力はカスタードだけではない。

僕は林檎が好きだ。

母は林檎を切るとき、皮を剥かないまま皿に盛っていた。

綺麗に皮が剥かれた林檎を初めてみたとき、丁寧な作業に感動する気持ちと皮も食べようと思えば食べられるのにもったいないという気持ちが入り混じった感情を抱いた。

一人暮らしを始めてから一度だけ、林檎の皮剥きに挑戦した。

皮を剥いたはずの林檎が血で赤く染まったのでもう二度とやらないと誓った。

パイ生地も好きだ、と言いたいところだがパイ生地にはそこまで思い入れがない。

スポンジ生地の特別感には敵わない気がする。

最後にケーキを食べたのはいつだろうか。

思い返せば、前回の自分の誕生日に買って食べたのはアップルパイだった。

やっぱり僕はアップルパイが好きなのかもしれない。

眠くなってきた。

寒い

気が付いたら夏が終わっていて、毎日カーテンを閉め切った薄暗い家に引き篭もり布団もかけず半袖で寝ていた僕は、当然の如く風邪を引いた。

何も考えなくて済むようにと日々を忙しなく消化していたのに、布団にへばりつくことを余儀なくされそこで意識を手放すか考え事をするかの二択を迫られることになった。

シロクマ効果という言葉を聞いたことがある。

シロクマのことは考えるなと言われると、シロクマのことは考えてはいけないという命令を自分に下すことで自分がシロクマのことを考えていないか確認する必要が生まれ、結果的にシロクマのことを考えてしまうというやつだ。

羊を数えて眠ろうと足掻いてみたり部屋に現れた虫のことを考えたりと色々と試してみても、最終的に思い浮かぶのはいつも同じこと。

この人生、目を背けたくなる出来事ばかりだ。いっそのこと完璧な地獄だったら思い残すこともないのに、時々褒美のように幸せが落ちてくるから余計に腹が立つ。

幸せだと思っていたものが突然牙を剥くこともある。

嫌いだと思っていたものに慰められることもある。

時間の経過は何の解決にもなった試しがないが、何度でも縋ってしまう。


夜が明けた。右膝が痒い。あのときの虫かもしれない。

少し眠くなってきた。